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今回ホームページを作るのに、2ヶ月近くかかったので、いろんな関心ある事項がたまってしまいました。マクドナルドの時間外の割増賃金の判決と労働契約法のどちらかにしようと悩んだのですが、いま旬の労働契約法は外せないとの判断で、トピックス2として2トップで攻撃的布陣を取っています。それ1月26日にお世話になった山田浩三先生が亡くなられたので、その思い出を書いてみました。
マクドナルドの時間外割増賃金の判決が話題になっています。マクドナルド「店長は管理監督者で、労働時間制の適用がない」という主張が認められなかったわけですが。 ここでちょっと思考訓練を。
▲ページの先頭へ 一部定額制とは、時間外労働が発生した場合、発生した分については時間外手当を支払うが、 労働基準法が定める率より少ない額とし、労働基準法が定める額との差額は 固定額(一部固定制の固定額)を充て、固定額を超えて差額が発生した場合は、 労働基準法に定める額を支払うというやり方になります。 基本給207,600円で、 想定される時間外労働は40時間 1時間当たり1,000円の追加時間外手当を支給すると。 1,000円×40時間=40,000円 労働基準法が定める額(元の固定残業代)は、時給1,200円×1.25×40時間=60,000円なので、60,000円−40,000円=20,000円(この計算は、上の表を参照一番上です。) 一部固定残業制の額として20,000円を設定すると 設例0
例@ 仮にAさんが効率よく仕事が出来て、ある月30時間の残業で仕事が終了したとすると、
例A Aさんが、その月は45時間の残業で仕事が終わったとすると、
計算方法は先の計算方法と同じです。 (40時間までは一部固定残業制の固定額で差額を充当、それを超える部分は労働基準法の額を計算) そこで、設例 例@と例Aの内容を考えて見ましょう。 依然として、効率のジレンマは解消されていません。 例Aの受取額は例@より17,500円多く受け取っています。 しかし、これはそもそも会社が会い払わなければならない額なので埋没原価と考えざるを得ません。 例@を見ると、本来会社が労働基準法どおりに計算して支払うなら、
一部固定制額で5,000円多く支給したことになります。 これは効率よく仕事を片付けた者に対する報償で、会社の想定する時間外労働の時間設定が適正であれば、 会社は例0より10,000円賃金を少なくできたことになります。 では、戻って5,000円の報償とは何でしょうか。 これはその者の能力に対する手当、つまり店長手当のことになるのです。 固定残業制の説明のところで、時間外と能力的要素を峻別すべきだあると説明しましたが、 一部残業制をとることによって、あくまでも残業手当の余りですが、 固定残業部分から、実質的な店長手当を捻出すことができます。 さらに余裕率を見ることによって実質的な店長手当を自由に設定することも可能です。 また先の見込みを越える時間外労働に対しては、マイナスの評価要素として、 ボーナスや昇給のときの査定要素とすることができます。 追加時間外手当を支給することによって、労働者にすれば、 仕事をすれば賃金額は増えるというより自然な労働観を得ることができます。 ただし業務改善努力を期待できない店長には、一般労働者並みの待遇しか与えないことになります。 これこそ名目上の店長ということになるでしょうか。 @会社は、労働者を働かせた分は賃金を支払うべきであるとの考えがベースにあります。 ですから直接に残業手当を減らせる方法ではありません。 あくまでも、効率よく働くことへのインセンティブとして、時間外手当や管理職手当を見るべきです。 A会社が見込む時間外労働時間の見込みは適正であり達成可能なものであること、 そのためには、会社はできるだけ残業が発生しないような仕事の方法を考え、 効率化を図っていくべきであり、サービス残業を、 事業存続の前提とするような考え方であってはならないと考えています。 B賃金制度の中に労働者の効率性(効率性のジレンマ)を組み込んだ制度設計が必要です、 それがサービス残業だなんていうのは、なんとなく情けない。 C実際にどれだけ時間外労働が発生しているかの時間把握をすることは当然に必要です。 ▲ページの先頭へ 平成20年3月1日から労働契約法が施行になりました。 労時契約法の施行前、2月25日石川労働局開催した説明会に行ってきました。内容は条文解説なのですが、なにしろ1時間30分時間内なので、内容を読み飛ばすような説明会でした、ただ会場は満員で、危うく立ち見が出そう、われわれみたいな商売のものから、それこそ工場や、建設会社の制服を着た人が多いのにびっくり、関心の高さが窺えました。 この労働契約法は、今まで体系的にまとめられた労働契約関係の法律がなく、個別具体的な事案に対してなされた裁判所の判断(判例)をもとに、個別具体的な事案の解決方法を考えるという。今までの方法では、今後安定的な問題の解決をすることが出来無いとの考えから、今まで裁判所が積み重ねてきた判例を、労働契約法として統一的にまとめたものです。 内容的には、今回制定された部分は労働契約の根幹となる、契約の締結、変更、更新、終了(解雇)という内容について確立された判例の主要部分を条文としているため、細かな部分での異論はあったとしても、概ね納得できるものとなっています。 ただ、解雇の金銭的解決制度(解雇の無効が認定された場合、現職に復帰することなく、無効期間の賃金とは別に金銭を受け取って退職する解決金の制度。使用者側からこの申立てをすれば、すぐに、解雇が有効になってしまうのでは。なんにしろ、この名称では内容が判りにくいので、考えたほうがよいと思うが。)とか、変更解約告知(労働条件の変更を受け入れなければ、そのときは解雇になる通知)を認めたかのような、雇用継続型契約変更制度など、当初の審議会の最終報告には、議論の分かれる問題にも触れていて、誰もが認めているような制度でないものも入っているので、今後この法律がどのような改正を加えられ、増補されていくのか注目したいところです。 具体的な内容では、第4条2項で「労働者及び使用者は、労働契約の内容を(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。」としています。これは今まで労働基準法が第15条で(労働条件の明示)使用者の義務として「労働契約の締結に際し、厚生労働省令で定める事項について、定める方法により明示しなければならない。」として、施行規則第5条に13の事項を書面で明示するように定めているのに対して「契約の締結に際し」という限定がついていないので、労働契約法では、労働契約の内容が変更された場合も含めも、使用者、労働者の双方に出来る限り書面で確認することしています。 もともと、労働契約法は労使間に質的量的情報量の差があるとの前提で作られた法律ですから、これも解釈にあったては、使用者の責任とされるでしょうし、また、労働紛争が発生するのは不利益変更のときでしょうから、立証責任は使用者側にあることになるでしょうから、実質的には、書面による明示の必要があるでしょう。 それと、労働基準法から第18条の2を抜いて労働契約法の第16条へ移しています。平成14年に労働基準法の18条の2が追加になったときたまたま監督署の手伝いをしていたので、こんな民事の判例内容を労働基準法に入れてどうするだろうと思ったことがあります。それまでは、労働基準法は民事の内容を取り扱っていなかったのに、だいたい監督官が民事的な判断ができるのかと思っていました(職務の中立性を脅かすような問題ですし)。まあ、その時も、監督署はこの条文は内容の説明をしても、判断はしないという姿勢だったのですが、今回労働契約法の制定にあたりこの機会にとの考えでしょうか。労働基準法からすれば厄介払いが出来たというところでしょう。 ▲ページの先頭へ 尊敬すべき山田浩三先生がなくなられたのを知ったのは、わずか2週間前くらいでした。 それも亡くなられたのが、さらに一ヶ月以上前の1月26日であったことお聞き驚いています。 いまさらノコノコト行くような間柄でもないのを残念に思います。 山田浩三先生のお話を最初に聞いたのは、私が開業間もない平成11年か12年の3月ごろ、卯辰山の日本青年館のグループ研修のときだったと思います。先生は日本型の終身雇用制度が捨て去られようとする現状を憂いて、米国の主要企業も基幹のemployeeは終身雇用制であり、すべての日本的終身雇用慣行が悪いわけではないとのお話をされたのでした。そのとき山田先生は「アメリカの陰謀」との物言いで、アメリカの「グローバルスタンダード」に対する無批判な迎合を戒められ、批判をされたのだと今は解釈しています。 この「アメリカの陰謀」説はそのころ先生の口癖らしく、私も2,3度聴いたような記憶があります。が、はっきりとした文脈の中で聞いたのは、さきのグループ研修のときただ1度でした。おそらく、「アメリカの陰謀」の裏返しは、日本人が守るべきであった勤労観であり、山田先生が終生、御自身の仕事の中心にされものではなかったのでしょうか。 そういえば、それからさらに1,2年後、労働基準協会の労働相談センターの当番の日、山田先生と一緒になったことがありました。そのとき、山田先生が近頃の若者の就労意識というか、定職につくころもなく、フリーターと呼ばれながら、生活している状況を嘆かれて、このままではいかんというようなことをおっしゃったことがあります。 そのとき私は「若い人たちは、自分の父親が一生懸命働いてきたのに、リストラにあったりして、何も会社に入って仕事を覚えようとか、苦労しても頑張ろうとかが、バカらしくてできなくなったのではないでしょうか。それにしても、そのリストラを進めてきたのが、社労士であったのですから、自分や先生も含め、社会保険労務士全体が反省しなければならないですねー。」と申し上げたことがあります。 そのとき先生は、何も言わず寂しそうに何か考えておいででした。おそらく、先生は、開業後そんなに時間の経っていない私のようなものが、社労士全体をそんな風に見ているということがショックだったのではないでしょうか。 私も先生の本当の気持ちを知っていながら、あのようなことを申し上げたのは、私のいつもの悪ふざけ半分、本当半分の悪い虫が騒いだだけなのですが。 わたくしたち社労士一人ひとりが、山田先生が持っておいでになったように、自分なりの勤労観、労働観を持っていれば、受託先の事業所の社長さんたちの考えを諌めこともでき、自分たちの仕事をいやしめることなく、それを救うことができるのではないかと考えています。 その後、先生とはその手の話しをすることもなくなりました。 先生は、学制が変わったときの最後の第4高等学校卒業生で、今の金大生なんかに比べようもなく優秀で、蛮カラであり、気概と度量をお持ちであったと思います。また、おしゃれで、はにかみ屋で、トツトツと論理のスッテプを積み上げる理論展開は、ある意味美しくまた緻密で、生得のもののように思われました。がさつな理論展開をする人の多い社会保険労務士会では、貴重な存在であったと思います。 一度、これも労働相談センターで御一緒だったとき、先生が奥様に傘を待ってこらされたことがありました、奥様はお美しいかたで、先生とのお話を伺っていると、先生の情愛の深さが感じられるご夫婦でした。そのことを考えると、残された奥様がおかわいそうで言葉にもなりません。謹んで哀悼の意をささげ、先生のご冥福を祈ります。 |
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